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GRIT(やり抜く力)part1

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「GRIT やり抜く力」  

著者 アンジェラ・ダックワース

ダイヤモンド社

 

この本は、なかなかの優れものだと思う。

困難にぶち当たった時に大切なのは、

才能や知能でなく「やり抜く力」なんだと強く語っている。

 

この本の中に出てくる「やり抜く力」が

どれだけ役に立ったのかの具体的な事例として、、、

 

<事例1 米国陸軍士官学校

 

米国陸軍士官学校は、高校2年生のうちから志願する。成績だけでなく連邦議員や上院議員、もしくは米国副大統領の推薦状が不可欠なのだ。もちろん、ランニング、腕立て伏せ、腹筋、懸垂などの体力測定で高得点を上げる必要がある。ハーバード大学に入る方がラクにさえ思える狭き門なのだ。

 

この米国陸軍士官学校は毎年、1万4000名以上の高校2年生が入学を志願する。しかし、推薦状を得られるものはわずか4000名。さらに、体力試験で2500名に絞られる。最終的な入学を許可されるのは、1200名という競争率10倍以上の狭き門なのだ。

 

1万4000名→4000名→2500名→1200名(合格率 8.57%)

 

こうして、入学をはたす生徒は、男女ともに例外なく各高校代表のスポーツ選手であruる。大半はチームのキャプテンを務めるほどだ。

 

しかし、そんな優秀の入学者も5人の中1人は、卒業を待たずに中退してしまう。

 

なぜなのだろうか?

 

昔から中途退学者の大半は、夏の入学直後に行われる「ビースト・パラドックス」(獣舎)と呼ばれる凄まじい訓練で退学していく。

 

ビーストのスケジュール

 

5:00 起床

5:30 整列

5:30~6:55 体力トレーニング

6:55~7:25 着替え、身支度など

7:30~8:15 朝食

8:30~12:45 訓練/授業

13:00~13:45 昼食

14:00~15:45 訓練/授業

16:00~17:30 団体競技

17:30~17:55 着替え、身支度

18:00~18:45 夕食

19:00~21:00 訓練/授業

21:00~22:00 司令官による終礼

22:00 消灯

 

 

これを休みなしで7週間続けれれる。

約49日間である。

優秀な人たちでも5人の中1人は、脱落するこの訓練。

 

 

耐え抜くのは「どんな人」なのか?

 

この厳しい陸軍士官学校で4年間耐え抜く人材には共通点があった。

それは、高校の成績でもなく、SATもしくはACT(ともに大学進学適性試験)のスコアでもなく、リーダーの資質の評価でもない、ましてや体力測定のスコアでもなかった。

 

「困難に対処する力は、才能とかはほとんど関係がなかった。」

 

もっとも大切だったのは、

「絶対にあきらめない」=ネバーギブアップの態度だったのだ。

 

「情熱」と「粘り強さ」を持つ人が結果を出し続ける。

 

「やり抜く力」 =  GRIT

 

そして、やり抜く力を確認するテスト。

グリット・スコアをチェックしてみると、

訓練を耐え抜いた者と、脱落した者たちでは、

スコアの差が如実に表れていることがわかった。

 

困難にぶち当たったときにクリアする力は、

才能でも知性でもなく「やり抜く力」だったのだ。

 

 

<事例2 大学進学>

 

「やり抜く力」が強い人ほど進学する

 

シカゴの公立学校の研究者たちが、

どんな生徒なら中途退学せずに高校を卒業できるのかを調べた。

事前に数千名の高校2年生を対象にして簡略版のグリット・スケールを含む、

アンケート形式の性格テストが実施された。

 

約1年後、

そのうちの12%の生徒は高校を中退していた。

そして、アンケート形式の性格テストを分析した結果、

無事に卒業した生徒たちはやはり「やり抜く力」が強かったことがわかった。

 

卒業できるかどうかを予想するのは、「どれだけ学校が好きか」、「どれだけ真面目に勉強に取り組んでいるか」、「学校がどれだけ安全な場所だと思うか」など他の要素よりも「やり抜く力」の方がはるかに重要な判断材料になることがわかった。

 

 

「やり抜く力」が高いほど将来、修士、博士、医学士、法学士、

など大学院の学位を取得した人が多かったのだ。

 

「やり抜く力」は、学業のレベルでさえも変えてしまうのだ。

 

<事例3 グリーンベレー

 

 

グリーンベレーは、アメリカ陸軍の精鋭部隊でもっとも困難かつ危険なミッションを担当する。その訓練の厳しさは苛烈を極める。その「選抜コース」でそこに到達するためには、ブートキャンプ《新兵訓練プログラム》(9週間) 歩兵訓練(4週間)、陸軍空挺学校における訓練(3週間)ランド・ナビゲーション(地上航法)の予備訓練コース(3週間)をこなしていく。これらの予備訓練は過酷でどの段階でも脱落者が出る訓練だ。

 

しかし、

さらにその上の「選抜コース」はさらに過酷なのだ。

「選抜コース」に比べたらあの「ビースト・バラックス」さえ、

夏休みのようにのんびりとみえるほどだ。

夜明けから午後9時まで全力で訓練に打ち込む。

 

 

そして、この訓練は、42%の訓練生が途中でやめていくのだ。

 

最後まで訓練に耐え抜いた者たちは、

いったいどんな点が際立っていたのだろうか?

やはり、「やり抜く力」だった。

 

なぜ、「やり抜く力」が大切なのだろうか?

 

「やり抜く力」をテーマしているが、

この内容は、実に面白い。

 

面白いと感じた理由は、、、

 

才能というものをあまり重要視していないこと。

自分もそうだが何かの才能があるんじゃないかと思っている。

多くの人は才能を見つければ人生が変わるとか思っているんじゃないかと、、、

 

しかし、この本はそれを否定している。

結局は、努力してく方向にだけ才能が開花していく仕組みだということが。

やっぱり、努力とか行動とか必要なんですね。

魔法のようなことは存在しないと、、、

 

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